相続・遺言相談室

公正証書遺言の利点・欠点

 公正証書は、公証人がその権限に基づいて作成する公文書ですから、その文書が作成名
義人の意思に基づいて作成されたことについて高い証明力を持っています。

 また、法律に厳格に定められた遺言の方式にしたがって作成されています。

 加えて、原本が公証役場に保管されますから、遺言書が変造・破棄あるいは隠匿される
などの危険性を回避することができます。

 したがって、遺言者の意思や遺言の方式をめぐる相続人間の争いが起こる可能性は少な
いといえます。

 家庭裁判所の検認手続も不要ですから、相続の諸手続きを迅速に行うことができます。

 したがって、自筆証書遺言の方式に比べて、はるかに安全、確実な方法であるといえま
すが、その半面、手間や費用がかかるのが欠点といえば欠点です。

 また、作成に第三者がかかわることから、遺言内容を本人以外の人が知ることになりま
すので、知られたくない事情がある場合は、大きな欠点になるかもしれません。

 しかし、遺言の最大の目的は、遺言者の死後に、相続人によって遺言内容が確実に実現
されることですから、公正証書による遺言は、最も推奨される方法であるということがで
きます。

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どの方式の遺言を選ぶか

 それでは、遺言書の作成は、どの方式で行うのがよいのでしょうか。

 一般的には、公正証書遺言と自筆証書遺言が多いようです。

 公正証書遺言の作成件数は、平成22年には81,984件(日本公証人連合会)となって
おり、10年前に比べて約34%増加しています。

 自筆証書遺言の作成件数はわかりませんが、平成22年の家庭裁判所における遺言書検認
件数は14,996件(司法統計年報)で、そのほとんどが自筆証書遺言と推測されます。

 検認は相続が起きてから行われるため、作成とは時間的にずれがあることと、どの程度の
割合で検認が行われているかわかりませんので、現在における自筆証書遺言の作成件数は、
検認数に比べてかなり多くなっているものと推察されます。

 それでは、公正証書遺言にするか自筆証書遺言にするかは、どのようにして選択したらよ
いのでしょうか。

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特に遺言の必要な場合(その11)

(2)遺言執行者を指定した方が良い場合

   一般的には、全ての遺言について、遺言の内容を確実に実行するためには、遺言執 
  行者を指定しておく方がよいといえますが、特に指定しておいた方が良いと考えられ
  るのは、以下のような場合です。

   ・相続人以外に遺贈をする場合
   ・土地の分筆登記が必要な場合や遺産を売却した代金で分割するような場合
   ・生命保険受取人の変更や財団法人の設立、信託の設定等を行う場合

   相続人以外の人が関係する場合や手続きを必要とする場合は、遺言執行者を指定し
  ておいた方が、遺言内容の実現が確実に行われることが期待されます。

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特に遺言の必要な場合(その10)

7.遺言執行者の指定

(1)遺言執行者の指定が必要な場合

   遺言で

   ・ 相続人の廃除
   ・ 子の認知

  を行う場合は、遺言執行者の指定が必要となります。

   これらは、遺言だけで実現できるものではなく、役所への手続きが必要となります
  ので、遺言執行者が遺言に基づいて手続きを行うことになります。

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特に遺言の必要な場合(その9)

6.法定相続人がいない場合

  相続人がいない場合、遺産は原則として国庫に帰属することになります。

  したがって、自分の死後、財産を特定の人や団体に贈りたいという意思を持っている
 場合は、遺言が必要となります。

  この場合は、遺言執行者の指定も忘れずにしておかないと、遺言のあること自体がわ
 からない恐れもありますので、遺言書の保管方法も含めて、遺言の内容が実行されるよ
 う準備しておくことが大切です。

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